星川比那美は１１月に急性ヘルペスで入院した。 「比那美が妊娠中絶をした。」 根も葉もない噂だ。 誰がこんなひどい噂を流したのか？ 絶対に許せない。 私は担任教師としてクラスの女子を一人づつ 放課後に呼んだ。一週間で６人から話を聞いた。 １ 比那美…

今俺は殺人の容疑者として留置場にいる。 なぜこんな事になったのか、 俺の話を聞いてほしい。 俺の名は真田幸夫。 大手漬物製造会社マルタクで働いていた。 「あー真田君。その樽のたくあんは 業務用で全国の食堂や蕎麦屋へ卸す特製だ。 こっちの特別な漬け…

初老の男性は、公園のベンチに淋しそうに佇んでいる小さな女性を 見かけ、ベンチの隣に座って声をかけた。 「どうしたんだい？ひどく落ち込んでいるようだが・・」 「・・・・私、今働いている職場をリストラされそうなんです。それで、 ちょっと悩んでて・…

私はずっとあなたのファンでした。 あなたに会いたくてスイスまで追いかけた事もあります。 あなたに愛してもらった日は最高に幸せでした。 昨日あなたの結婚式がありました。 お相手はあのアイドルグループの１人。 披露宴には有名人もたくさん集まったそう…

池ヶ丘第一小学校には、先生が持ってきたトランプが幾つかある。 ある昼休み。 渡邊準「あ゛ー。今日も雨かぁ。」 五十嵐健斗「今日って体育館使えないし。」 野木裕次「そんな時には、トランプが使えるんじゃないの？」 高橋圭太郎「あ、それいいね。」 準…

13:00丁度にカラクリ駅すぐ側の歩道で田中太郎が殺された。死因は刺殺による出血多量 事件後の調べで容疑者と思われる男が浮かんだ 名前は佐藤太郎。被害者の田中太郎とは仕事仲間である。 彼はカラクリ駅の隣駅であるトリック駅のすぐ側に住んでいる。 トリ…

ある小学校の3年生が、先生に問題を出されました。 「この問題を1回さっと見てください」 その問題は、バラバラの数字が百個かけられている、掛算問題です。とうてい小学生では解けません。 しかし、先生は、「みなさんでもすぐ解けます」といいます。 そし…

ボクはオトウサンにツクられた。 オトウサンはコトバをオシえてくれる。 ボクはおハナシするのがスキ。でもウゴけない。 オトウサンが、ボクに体を造ってくれた。 待ちに待ったお引越し！ ガチャガチャ・・ うまく歩けないけど、生まれて初めてオトウサンに…

「こう君。まだ残っていたの？ 丁度いいわ。手伝ってちょうだい。」 「まーちゃ････花守先輩・・・・・手を離してよ。」 廊下で幼馴染につかまった僕は そのまま文芸部の部室に連行される。 文芸部の部員は部長の花守麻紀先輩１人。 どこにも所属してない僕…

ついこの間、俺は高校を卒業した。 就職活動で疲れていた俺は何気なくテレビを見ていたのだが、卒業前に友人に勧められて買った「５億円宝くじ」という新しい宝くじの当選結果が新聞に掲載されているとニュースで発表されていた。 友人は４０枚買ったのだが…

『無人島に物をを１つだけ持っていけるとしたら』 よく心理テストなどで目にするこのフレーズ。 どうせなら実際にやってみようということなった。 俺たち５人は知り合いの漁師さんにお願いして、近くの無人島まで連れて行って貰った。 今回のルールはこれ。 …

学会から追放されたマッドサイエンティストのカルマが自分の研究所の地下３Ｆに実験室をつくった。 研究所とその実験室をつなぐものはエレベーターのみで実験室には他に出入り口はない。 カルマは実験室で心理実験を行うと言い始めた。その実験とは人を実験…

週刊誌の記者が古びた寺を訪れた。目的は本堂に納められている『猫菩薩』という仏像の取材。 『よう来た。参拝者に幸福を招く猫菩薩、是非世に知らしめてくだされ』 『はぁ・・』 寂れた雰囲気を持つ住職に案内され、記者は曖昧な返事を返す。 『ここが、本…

「少しは良くなった？」 「うん・・大分・・」 麻衣子は自室のベッドに横になったまま、力のない笑顔を返す。彼女とＭは学生の頃からの恋人同士だ。 麻衣子が発病したのは半年前、Ｍが登山中の事故から奇跡的に生還した少し後のこと。 「さっきはゴメンね。…

１０年前、私が医大に入学したのを見届けてから両親は自殺した。 私が家に居ない時に家に火を着けての心中だった。 太陽が雲に隠れている日の事だった。 家には借金があったらしい。 公共事業の区画整理で私の家は立ち退きを促されていたが、両親は家族の思…

夜、車で帰る途中のこと。 二車線道路の歩道寄りの道を走っていた僕は、赤信号で止まった。 ちょうどその時、隣の車線斜め後ろに止まった車がフロントライトを点灯させていないことに気がついた。 僕は無意識のうちにバックミラーに映るライトで後方の車を認…

あるところに親子が住んでいた。 父親と娘の２人暮らしで母親は昔に亡くなっていた。 １０才の娘は重い病気にかかり、病院で入院をせざるをえなくなった。 まもなく父親は娘が手術をしないと助からない事を知る。 この手術にはお金がかかり、貧乏な親子には…

うぅ･･･寒い。もう秋も終わり冬が近づいてるのが身にしみて分かる。周りを見渡せばコートやマフラーをしている人々が大勢いる。私も、もっと厚着をしてくればよかったと今更ながら後悔をした。 横を見れば、車道では様々な車が行き来している。排気ガスを撒…

ある惑星で、地球侵略の計画が練られていた。 「怪獣を尖兵とし戦力を集中させ、その間に占領を進めます。」 若い参謀の説明に、司令官が問う。 「地球には防衛隊の他に光の一族もいる。過去、同じ作戦で失敗した例も聞くが？」 ここぞ出番と、老練な参謀長…

世界に魔物がいた頃・・。 その森にも恐ろしい魔物が沢山棲んでいました。 夜、人間がこの森に入ることは大変危険でした。 魔物は夜歩き食料を探すものが多いからです。 もう何人もの人間が、この森から戻っていませんでした。 家の扉の隙間から顔を出して、…

「ねんねんコロリよ、おコロリよ・・」 「ゴホッゴホッ・・ママ・・」 「ぼうやはよい子だ・・ん？ どうしたのユウちゃん？」 「からだがアツいよぉ・・それに、ゴホッ・・クルしいよ・・」 「・・大丈夫、さっきおクスリ飲んだし、ママがそばにいてあげるか…

「新入社員の神崎っているだろ。」 「ああ、この中野まで自転車で通ってる奴だろ。 変ってるんだって？」 「あいつエスパーかもしれない。」 「はぁ？」 「少なくともテレポートができる。」 「テレポートできる奴は 毎朝会社に自転車で１時間かけて来ないだ…

エミーは近所でも評判の良い25歳の新婚さん 夫の家庭とも仲がよく、エミーは気さくに誰とでも付き合い、 冗談を言ってはよく笑わせたりしていた。 彼女を嫌いな人はめったにいなかった。 その彼女が妊娠のために入院した。 夫や夫の両親、友達そして自分の母…

僕達は、初デートで海までドライブに行く途中だった。 しかし、赤信号を無視したトラックが突っ込んで来て、事故を起こしてしまった。 辺りからはどんどん人が集まってくる。 僕はと言うと、体を強く打ってしまったせいか動けない。 これは助けを待つしかな…

ある誘拐犯が、小学生の子供をさらった。 さらわれたのは、９歳のエミちゃん。 エミちゃんの両親は資産家で、数億という多額の身代金だって要求できる。 そして、この犯人は卑劣だった。 今回の誘拐のため、ずっと前から計画を練ってきた。 友人と歩くことの…

事件と言えないくらいの、小さな悪事です。 東京のあるコンビニエンスストアに、泥棒が入りました。 しかし、この泥棒。 現金にも、商品にも、店の備品にも手をつけなかったのです。 もちろん、従業員やお客など、人をさらうこともしませんでした。 実はこの…

ドン！ドン！ドン！・・ドン！ドン！ドン！ドン！ドン！ドン！ 「おい！居るんだろうが！開けろ！おい！！」 どうして俺がこんな目に・・・。 もとはと言えばあいつの借金じゃないか・・・。 精神的にも限界だ。 取立て屋はここのところ毎日来るし・・・。 …