今俺は殺人の容疑者として留置場にいる。
なぜこんな事になったのか、
俺の話を聞いてほしい。
俺の名は真田幸夫。
大手漬物製造会社マルタクで働いていた。
「あー真田君。その樽のたくあんは
業務用で全国の食堂や蕎麦屋へ卸す特製だ。
こっちの特別な漬け汁使うんだ。」
漬け汁をひしゃくで汲んだ時
ひしゃくの底に何かが沈んでいた。
薬品の結晶??
俺は結晶をつまみあげポケットに隠した。
4日後、大学で薬物の研究をしている真田一郎、
つまり俺の兄貴から電話がきた。
「幸夫。あれどこで見つけた?
あれは強力な自白剤だ。
海外では軍隊などが使うもので
日本ではもちろん違法だ。
警察の鑑識課に先輩がいるので
今そっちでも確かめてもらってる。
・・・・・おい?何だ君たちは?
(銃声)・・・・・ツーツーツー」
「兄貴?・・・・どうした?あにきぃー!?」
次の日俺は逮捕された。
なんと真田一郎殺害容疑だという。
刑事が俺の部屋を探すと拳銃が見つかった。
兄貴を殺害した弾と旋条痕が一致したと言われた。
もう何がなんだかわからない。
そう俺は巨大な陰謀に巻き込まれたのだ。
どんな陰謀かって?
もちろんアレだよ。
問題 主人公はどんな陰謀に巻き込まれたのか?
キーワードをひらがな4文字でお答えください
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。
【解説】
A.かつどん
××年前警察は低い検挙率に悩んでいた
そこで秘密裏に導入されたのが“カツ丼計画”である
その自白剤は加熱に弱いため
調理前の米や豚肉に混入はできない
そこでカツ丼に必ずつく「たくあん」に注目した
警察はマルタクを初めとする
大手漬物メーカー数社に圧力をかけ
自白剤入りたくあんを製造させた
鑑識や科学班など警察庁の研究機関で
極秘に自白剤を製造し漬物工場に運ぶ
自白剤が混入されたたくあんは全国に運ばれ
すべて警察署出入りの大衆食堂や蕎麦屋に卸される
それぞれの店は個人営業だったりするのだが
警察庁の息のかかった卸業者が
格安の米や調味料などで気を引き
食材を卸す契約を結ぶ
その卸業者と契約している飲食店だけが
各所轄署の出入り業者として認められた
署長以外は所轄署員も
食堂の店主もそれを知らない
しかし容疑者の取調べには
慣例でカツ丼の出前がとられる
そのカツ丼には自白剤入りのたくあんが付く
そんな秘密のシステムが成立した
こうして日本の警察は世界トップの
検挙率を手に入れたのだ
今日も警察の取調べ室では
「俺はやってない」
「まあカツ丼でも食え」
「刑事さん・・・・俺がやりました」