初老の男性は、公園のベンチに淋しそうに佇んでいる小さな女性を
見かけ、ベンチの隣に座って声をかけた。
「どうしたんだい?ひどく落ち込んでいるようだが・・」
「・・・・私、今働いている職場をリストラされそうなんです。それで、
ちょっと悩んでて・・・」
「そうか・・世間もなかなか厳しいからのう。。だが、希望を失ってはならんぞ
まだ完全に捨てられたと決まったわけじゃない」
「でも、もう駄目です。私、最近では多くの人から嫌われてて、白い目で見られるんです。
私、何も悪いことしていないのに・・。もう未来に望みが持てなくなって」
「・・・私もそんな苦悩した日々があった、叩かれたり蹴られたりはしょっちゅうだ
・・時には拉致されたこともあったんだ」
「・・・私も、、そうです。ですが・・」
「あれは忘れもしない22年前の1985年・・私は大勢の男性に乱暴された挙句
川に投げ落とされたんだ・・・この事件はメディアでも大きく取り上げられてな・・
まったくひどいもんだよ。
その川は・・・ええと・・その川の名前は・・・・・・なんだったかなぁ?・・・・・・・・」
問題です。
この初老の男性が投げ落とされた川の名前をお答えください。
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。
【解説】
A.道頓堀
初老の男性はひらめいた。
「おおそうじゃ、道頓堀じゃ!そこに投げ落とされてしまって、なんでも野球
で優勝したとかで皆浮かれてて、、大変な騒ぎじゃった」
「ふふふ・・・」
「おっ!やっと笑ってくれたか。あなたは私と同業者のようじゃが、この仕事に
もっと誇りを持ったほうがいい。あなたは皆に嫌われていると言ったが、
人々はあなたが思うほど嫌ってなんかはいないと思うぞ。むしろ愛くるしい
娘として、好かれているんじゃないかな?」
「・・・」
「私にはリストラのことはわからんが、あなたを見ていると、どんな未来が来ようとも、
人々に愛され、どこかであなたを必要としている場所があるように思えるんじゃ・・
きっと」