ついこの間、俺は高校を卒業した。
就職活動で疲れていた俺は何気なくテレビを見ていたのだが、卒業前に友人に勧められて買った「５億円宝くじ」という新しい宝くじの当選結果が新聞に掲載されているとニュースで発表されていた。
友人は４０枚買ったのだが、俺は金がなかったので３枚しか買わなかった。
どうせ当たりはしないだろうと思いつつも、新聞と宝くじを手に取り、もしかしたら1万円ぐらいは当たってるかもと少し期待しながら当選金額の低い順に照らし合わせていった。
この宝くじは当選金額が高い上に当選数も多い、そのかわり宝くじ１枚１５００円もするからだ。時間が掛かるのに少しイライラして来た頃、とうとう残り５等以上のところまで来てしまった。
結局３等も２等も全然当たらず、なぜ友人に誘われた時に断らなかったのだろう・・・、そもそも誰が宝くじなんて考えたんだ。４千５百円も損したじゃないか、バイトも辞めていて財布の中はもう札も無くなってるっていうのに・・・などと愚痴をこぼしながら1等と最後の1枚を照らし合わせたその時、本当に心臓が飛び出るかと思った。何度見ても番号は全て同じ。そう、俺は５億円を手に入れたのだ。
早くこの喜びを誰かに伝えたい、だけど家に家族は一人もいない。そこで携帯を取り出し、一緒に宝くじを買った友人に電話することにした。
友人も今ちょうど宝くじと新聞の当選番号を照らし合わせ終わった所で、６万円も懸けたのに当選結果が５００円だったということで大分ショックを受けているとのことだった。そこで追い打ちをかけるのは可哀想だと思ったが５億手に入ったのも友人のおかげだから６万円ぐらいくれてやろうと思い、当選した時の気持ちなどを全て話した。
友人は黙って聞いていたので、そろそろ「７万５千円ぐらいあげるよ」と言おうとした時、友人はこう言った。
「嘘つき、そんな嘘が俺に通用するとでも思ったのかよ５億なんて当たるはずねえじゃん。せめて１００万とかにしろよな。嘘バレバレだよ。」と言って切られてしまった。
信じられないのは分かるけど、信じてもらえないと腹の虫が治まらないので写メールで当選した宝くじを撮って送ってみた。すると「随分手が込んでるな」というメールが帰ってきた。
なぜ写メールまで送ったのに信じてもらえないのでしょうか。カタカナ8文字で答えてください。
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。
【解説】
Ａ．エイプリルフール
１ヶ月後、貯金通帳を見せてやっと信用してもらいました。実は友人も５０万円当たっていて、後で現金で見せてビックリさせて自慢しようとしていたのに５億円当てられてしまってまたショック受けたそうです。
