「いい加減白状したらどうなんだ!!」
「お前がやったってことはわかってるんだよ!!」
俺は今、警察にいる・・・・。
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10日前、俺はある家に金を盗みに入った。
とても大きな家。すべての窓にカーテンがかかり、明かりも消えている。留守なのだろう。
「少し、、少しくらいならもらったってかまわないはずだ!」
そう思った俺は、窓を割り侵入した。
絵画、宝石、時計・・・、金目のモノはたくさんあった。しかし俺に必要なのは早急な金だ。タンスの中から20万を見つけ、ポケットに入れてから急いで家を出た。
「これでじいちゃんの入院費が払える。」
俺はじいちゃんと2人で暮らしている。生まれたときからずっとだ。じいちゃんは木彫りの職人で、彫刻やら、家具やらを作っている。昔は町中の家からテーブルやタンスを作ってほしいと注文を受けていた。
しかし今は違う。大量生産の安い家具が出回り、木造の彫刻も人気が無い。収入は右肩下がり、今ではほとんど無くなってしまった。毎日の食料さえままならない。飼っているコオロギの餌も買えないくらいだ。それでもじいちゃんは働き続けた。
そして倒れた。医者に見てもらったら、入院しなければならないと言われた。
俺には金が必要だったのだ・・・・・。
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「隣の住人がお前の姿を見ていたんだ!窓から出てくるところをな!」
「・・・・・・・・・・・・。」
俺は黙っている。じいちゃんの入院費を払わなくてはならない。ここで罪を認めるわけにはいかないのだ。
「そうか・・。しょうがないな。それならこの嘘発見器を使おう。」
嘘発見器、、、、確か体に取り付けて、脈拍や血圧、発汗具合などから嘘を見抜く機械だ。バカめ、そんな物俺に通用するわけがないのに。だって俺は・・・・・。
刑事が嘘発見器を取り付けた。
「さあ、答えてもらおうか!もしこの機械が嘘を感知すれば、電子音が鳴るぞ!」
そんな機械は無駄だというのに・・・。
「家に忍び込んで金を盗んだ犯人はお前だな?」
どうせ嘘発見器では見抜けないんだ。ここは答えておくか。
「ちがう。俺はそんなことしていない。」
・・・・・・・・・・・・
やはり電子音は鳴らない。これで俺の疑いは晴れたはずだ。 ・・・・・ん?
刑事が俺の顔を覗き込んでいる。
「やはりお前が犯人だったな。」
この主人公「俺」とは誰でしょう?
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。
【解説】
A.ピノキオ
【解説】
「やはりお前が犯人だったな。」
「やってないと言ってるだろ!!嘘発見器は鳴らなかったじゃないか!!!」
「お前は人形だもんな、機械は鳴らないさ。。。。しかしな、鼻が伸びているぞ、、、、ピノキオ。」