俺の名前は竹下功治25歳。
去年、勤めていた会社を俺の不祥事でクビになり、今までの間、俺をこの状態に保ってきた貯金も無くなり、さらにサラ金などに手を出してしまい借金も重なり途方にくれていた。
朝方から仕事も無く、何もやることも無く公園のベンチでぼーっとする、前には親子連れが仲良く楽しげに話している。
しかし突然俺の目の前に男が現れた。
その男は帽子を深くかぶりトレンチコートを着た男が現れた。その男はそれほど背も高くなかった。
その男は「私は貴方の父親の兄のその子供の博です。
貴方、お金に困って途方にくれているのでしょう、
このスーツケースの中には
死ぬまで一生遊んで暮らせる金が入っています、
またこのお金がなくなってしまったら、
この袋の中に大量の宝石が入っています、
それをお金に換えてください。
私にはそのお金は必要が無いので受け取ってください」
初め俺は、おちょくって詐欺にでもあわそうとしているのかと思った。
少し前にオレオレ詐欺と言う事件があってから、そういうのには充分警戒していた。
だがその顔は正月の頃に見合わせた博の顔で、博とも昔の話なんかで盛り上がった。
実際お金に困っていたのは事実だし有効に使わせてもらおう、というそんな甘い考えで受け取ってしまった。
まず俺は借金をしていたところにお金を返した、
まだお金はたっぷりと残っている。
俺は残りの金を遊びに使ったり車を買ったり、
家を買ったりといろいろなことに使いまくった。
何年もすると最初の頃は腐るほどあったお金もそこを尽きてしまい、
まだまだ遊び足りない俺は宝石に手をつけようとした。
そのときふと俺は大金を託したあの男の言葉が浮かんできた。
俺はあの男が言った言葉の本当の意味を知りとてつもなく恐ろしくなり宝石に手をつけるのをやめた。
その日から俺は職を探しどんなアルバイトでもこなし何とか人として暮らしていけるように安定してきた。
さてココからが問題
この男を恐怖に震え上がらせてガラリと変えてしまった、あの男の言葉とはなんだったのでしょうか。
答え方は文章から一行をそのまま抜き出してお書き下さい。
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。
【解説】
A.死ぬまで一生遊んで暮らせる金が入っています、
そう俺はこのお金が尽きた時が自分の死ぬ時だと悟った。
「死ぬまで一生遊んで暮らせる金」と言うことは逆に「使い切ってしまったら死ぬ」と言うことにもとらえられる。
こうして俺は真面目に働くようになった、勿論あの宝石にはいまだに手をつけていない。
ところであのおとこはだれなんだ?
オレの親父の兄の子供、博は去年死んだはずだが・・・