「新入社員の神崎っているだろ。」
「ああ、この中野まで自転車で通ってる奴だろ。
変ってるんだって?」
「あいつエスパーかもしれない。」
「はぁ?」
「少なくともテレポートができる。」
「テレポートできる奴は
毎朝会社に自転車で1時間かけて来ないだろ。」
「冗談じゃないんだ。
昨日1階からエレベーターに乗ろうとしたら
神崎が来たんで声をかけた。
するとお先に行ってくださいと言う。
俺たちの課があるこの8階まで上がった俺は
エレベーターの前の喫煙所でタバコを吸っていた。
すると後ろから神崎が挨拶してきた。
その間エレベーターは1度も開かなかったんだ。」
「健康のために階段を使っただけだろ。
あいつダイエットでもしてるんじゃないか。
自転車通勤もそのためかな。」
「それだけじゃない。
俺は今朝会社のトイレに入った。
トイレには誰もいなかった。
個室も全部空いていた。
俺は小便器で用を足し手を洗った。
するとトイレを流す音が聞こえる。
横を見るといつのまにか神崎が隣にいて
手を洗っていた。
俺はトイレの入り口をずっと見ていた。
俺がトイレに来てから1人も
入って来なかった。間違いない。
あいつはトイレにテレポートしてきたんだ。」
問題 新入社員神崎君の秘密
あなたにわかりますか?
5文字でお答えください
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。
【解説】
A.閉所恐怖症
神崎君は閉所恐怖症です
エレベーターやトイレ個室の使用は
不可能ではないけれど
かなり精神的負担になります
トイレの個室のドアが半開きになっていれば
普通は中に誰もいないと思います
神崎君はドアを全部閉めずに用を足していました
ドアを閉めるよりもそのほうが
精神的に楽だからです
閉所恐怖症の神崎君は
トイレで大きい用をする時は必ず誰もいないのを確認し
一番奥の個室を使います
鍵をかけずドアが少し開いていても
一番奥の個室なら別の人に開けられる危険は少ない
誰かがトイレに入ってきても
ドアを半開きにしている一番奥の個室は
角度的に個室の中までは見えません
後からトイレに来た先輩社員も
トイレには誰もいないと思ったのです