死が近付いてくるのが分かる
やさしい足音が聞こえてくる……
死ぬのは怖くない
だって私の人生は
あんなに素晴らしかったから……
私は甘えん坊な子供だった
いつも親にべったり
優しい親だった
兄弟は多かったけど、皆に平等で……
そんな私もある日、親元を離れた
あの日はよく晴れてて、気持ちの良い風が吹いていたなあ
親は間もなく死んでしまったけど
それからずっとふわふわしてた私だった
でもある場所に腰をすえ
たくさんの子供に恵まれた
そしてついこの間のこと
子供たちは私の元を離れていった
ああ、あのとき私の親もこんな気持ちだったんだろうか
子供の成長って嬉しいんだなあ
……あ
どうやら
お迎えが来たみたい
『ある○○○○の追憶』 fin.
ひらがな4文字でお願いします。
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。
【解答】
A.たんぽぽ
【解説】
そう、これはたんぽぽの一生。
でもこのたんぽぽは幸せだね。
妬ましいくらい
本当に……
子供の頃は俺も幸せだったさ
親元を離れるところもあいつと同じ
じゃあどこで差がついた?
不思議だねー
俺が腰をすえた場所は
いつも子供たちの声がした
にぎやかなのは嫌いじゃなかった
自分自身の子供もたくさんうまれたし
でも……
痛かった
体を引きちぎられ
子供たちと引き離された
しかもあいつらは子供ばっかに夢中で
俺のことはポイ、さ
許さない
許さない許さない
許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない
『ある小学校の校庭にて、不幸なタンポポの追憶』 fin.